No.1273 簡単に・・・

仕事上で、ステンレスに着色する必要があり、以前は黒クロムメッキを使用していた。在庫がなくなりそうなので、再度外注に発注すると、黒クロムメッキに使用されている六価クロムが人体に悪影響*1を及ぼす場合があるため、処理をやめてしまったらしい。県内のほとんどの外注でも状況は同じで、関東方面で2社ほどやっている可能性があるかも知れないといった程度の情報しか得られなかった。
つまり、代替を探す必要性が出てきたわけで、早速検索を始めたんだが・・・もともとSUSは着色のしにくい材料でさらに着色した部品をレーザ溶接するわけなので、下手な皮膜がかぶると溶接性、強度面に影響がでる。さらにデザイナーの求める色はガンメタリックであるため、なかなか思うように代替が見つからない。色合い的にはDLCコーティング*2は色合い的には非常にいいんだが、溶接性が悪い。パルソナイトに関しても同様・・・レイデント処理も試してみたが、溶接後の強度にばらつきがあり、実用的ではない。硫化タングステンをブラストさせるとガンメタリックになるんだが、日本でこの設備を持っているところがほとんど無い。
そんな中で先日発見したのが、ネジの表面処理を行っているベンダーである。どうやらコレはアルカリ性溶液ないし、酸性溶液に浸して着色を行うものらしく耐薬品性にも優れているみたい。とりあえず、連絡をとり、発想したサンプルに処理を行ったものが本日到着。
アルカリで処理したものは本来油膜でコートするらしいが、溶接性に問題がありそうだったので、油膜の処理は行わなかったため、カーボンのようなススがついている。もうひとつの酸性で処理したほうはガンメタリックというよりブロンズに近いが、状況としてはかなり使えそうな状態。皮膜をかぶっているわけではなさそうなので、溶接性には問題はないっぽい。まぁ、どっちにしても実験して、データとってからじゃないと判断できないから、明日はコレの溶接テストをするため、ラボで実験だわさ。

*1:酸化すると良くない

*2:ダイヤモンドライクカーボン・コーティング