NO.704 クリーンベンチ


 仕事の都合上、Labのクリーンかも考えなければ先へ進まない部分が一部出てきた。またまた、社へ出入りしている機器メーカーさんで、小型のセンシング・クリーンシステムなるものを販売しているのでご好意に甘えて10日間ほどモニターをさせてもらうことになった。実は、我々の部隊の使用しているLabは、パーティクルセンサーで確認したところクラス100000くらいで、通常のオフィスと変わらないほど汚いのである。最もこの汚さの原因は何よりLab内に設置されているMC(マシニングセンタ)であり、このMCで切削しているポリカーボネート(PC)の粉末が原因だと推測する。

 で、早速板材を組み合わせ、クリーンベンチを作り、局所クリーンを試してみたところ、ベンチ内はなんとクラス100を達成した。ただ、このクラス100が試作過程において最適かどうかは不明であるが、室内と比較にならないほどのクリーン度を確保できたわけである。

 が、実際に組み立ててみると、あまり効果が上がらない。当然である。クリーンベンチ以外の部分はあまりにも汚染(笑)されているからである。せっかく洗浄し、除電した部品もクリーンベンチへ持ち込む間でに汚染されてしまうのである。

 ほかにもいくつかの原因がある。話題に上がった項目としては射出成形で作ったポリカの部品の表面に気泡ができているため、これが試作工程で問題になってしまっている。エポキシならキンチョールで気泡をつぶすことはできるんだが、ポリカとなると成形条件や、材料の除湿とかで様子を見るしかない状態である。

 話は飛んだが、クリーンベンチは使い方によってはかなり効果が上がるだろうと推測している。もっともクリーンベンチ内がクラス100なので、その他室内空間は最悪でもクラス1000程度にとどめなければ、意味のない話になってしまうが・・・