お星様

 同じ職場のA主任(仮名)は以前もここに愚痴として書いたとおり、仕事が非常にルーズである。自分の抱えているはずの仕事は全く把握していない、当然のことながら納期意識というのはかけらもない。彼が、社会での生活で、全勢力を天体観測であり、仕事はおまけである。というか、天文の帰りに仕事に寄るようなタイプの人間である。(A主任とは我々の間でお星様と内々で呼ばれている)
 当然、空が白けるまでお空を見上げているので、昼間はお休みになられている事が非常に多い。もしくは、来るべき夜への情報収集で、Web閲覧である。僕自身も仕事の手が空いたときはWeb巡回もするし、たまにはLabで充電(睡眠)しているときもある。自分のことを棚にあげる訳ではないが、金もらっている以上はプロとしてのこだわりをもって仕事をしてもらいたいのだ。
 現時点で我々の部隊は4年半を迎えた。僕が移動してから実に1年半が経過してしまったわけだが、ここ数ヶ月間は試作組立において大きな成果は上がっていない。しかし、部品精度や、金型の完成度は非常に高くなってきている。それでもなお、完成品の精度は非常に悪い。極的な言い方をすれば、治具を使用しないほうが、部品レベルでの自由度が高く、スピーディ〓で精度よく組み立てられるのはいかがなものか。
 10月からいよいよ臨床用のデータを取るための試作を開始する予定でいるが、多分今の治具のままであれば取れるデータなど皆無だろうと想像できる。これを危惧したため、治具についての問題点一覧表(A4をで頁)を作成し、部内で回覧した。が、とうのお星様どこ拭く風である。本人としては10月から開始する試作で、治具を調整しながら組み立てればいいや位で感じているようである。
 で、私は、本来であれば、試作までの合間に治具を調整するべきだとおもっているが、当然のことながら彼はそんなことをする気すらない。次の試作まで空いた時間は、とにかくお星様の情報を集めることが最優先であるようだ。あまりに仕事をせず、お星様情報収集をしているようである。