頭にきた

 今開発中の商品がやっとトンネル長いトンネルの出口が見え、明るい日差しが差し込んできている。実に1ヶ月近くとまっていた試作が再開されるところまでこぎつけた。そこで問題になっているのが、今更ながら治具である。先日Labにて治具の状況をチェックしてみたのだが、6/18以降から大きな修正は行われていなかった。

 これら治具が完成していないことには、組み付け精度にも大きく影響し、生産性も上がらない。しかし修正項目に対し全く手を付けていない治具のほうが多いのは非常に残念だった。そこで、再度徹底を図るために部下A(年上)にチェックリストの作成を依頼した。しかし、どうも僕からの仕事はやる気がないらしく、いっこうに進んでいる様子はなかった。治具のチェックリストは、上司も同じ事を考えていたようで部下Aにリストを作るように命じた。これに対し奴は早速作り出しやがった。まぁ、これは、仕方がないかもしれない。年下の上司の言うことは聞きたくないという事で俺は納得した。
 (査定は知らんぞ)
 で、そのチェックリストについてなんだが、会議の席で僕が数回提案したことは全く盛り込まれていなかった。僕としては3種類の治具について製作を公の場で依頼したつもりでいた。
 しかし、実際はどこの会議録や、ログにも残っていなかった。しかし、数回にわたり提案してきた項目なので課員全体の共通の問題点だと思っていた。思っていただけだった。
 はっかぁ主任殿
 係長との話し合いの中で、「問題点の集計」以外の治具製作については「問題点の集計」とは全く関係ない別項目のため、打ち合わせのときに治具製作を依頼して欲しいとの事 
 基礎試験を終えてLabから戻ってきた僕のデスクに上記のようなポストイットが一枚貼り付けられていた。正直はらがったった。頭にきた。この件に対し上司に相談を持ちかけた。ソレはもう沈着冷静にだ。

 上司曰く、
 問題点集計というのは問題点処置記録に載っている項目を集計するんであって、ここに載っていないものは集計するべきではない。
 
 というものだった。仕事ってそういうモンですかね。集計するために仕事をしているわけではないし、載っていない項目だからって、見殺しにしていい問題ですかね。確かに公式記録として僕がドキュメントを残さなかったのが一番の問題なんだろうけど、部下Aの仕事は、試作中に記録をとることと、会議の議事録を作ることである。記録をとるということは、ホワイトボードに書かれた項目をノートにうつすことではなく、そのときに出たコメントなどを詳細に記録することが仕事ではないのだろうか。しかもこれらの議事録等の承認について、なぜ課内2名いる主任を通過しないのだ。なぜ直接係長確認なのだ。と、まぁ、イロイロと考えさせられる項目が浮き彫りになってきている。でも、これを考えているのはどうやら俺だけのようである。課内で見れば、俺は浮いている感じである。

 ただ、浮いていようがどうであろうが、俺の考え方が間違っているとは思えない。思いたくない。だから今後もこういったトラブルはいくつか出てくるだろう。仕方のないことなんだが。。。
 (フェードアウト)