強度

不思議である。

何が?

台風で東北地方のどっかの送電線の鉄塔が何本だか倒れたってやつである。
何でも設計そのものでは風速60m/sまで対応できるよう造られていたらしい。
しかし、当時の瞬間最大風速は29m/sだったので設計値にはかなりゆとりがあったはずだ。
でも現実は数本の鉄塔が倒れた。
それも根元からではなく中腹から折れたようだ。これを考えると手抜き工事とはあまり考えにくい。根元からであれば基礎の手抜きと想像できるが、中腹である。
と言うことは鉄骨そのもののコストダウンによる強度不足か、設計ミスか。。。
なんでこんな話になったかと言うと、今日は半日開発会議で、似たような話が出たからである。
設計そのものは軟窒化したSUS材を使用する予定で強度計算等を行ってきたのだが、溶接の都合上このパーツに関しては処理が行えそうに無い。しかも別のパーツに関してもやはり製造工程上現時点でははずしてあるパーツがある。
これらのことは会議の中で既知の事実としてみんな了解しているはずであるし、実際に組み立てたときに僕自身の逃げ道を残すためにこれが元で強度不足になるかもしれない。

一番怖いのは材料そのものは正しく強度が出ていないことである。実際SUS304のヤング率は19000Nとデータシートにはかかれているが、実測値で15000N付近。軟窒化処理で80%の強度アップとあるが、これも実測値で19000N。。。軟窒化してやっとデータシートとニアイコールなのである。
さて、今月末にはボツボツ試作部品が入ってくる。。。このときの強度や如何に?